フリーランスの写真家として20年以上活動する名畑文巨さんは、子供達を主体に作品を撮り続けています。
その作品は、明治安田生命や富士フイルムなど大手企業のカレンダーや、企業や官庁の広告など、幅広く使用されています。
名畑さんは作品に登場してくれるお子さん達を毎年公募しており、ベビヨリでも作品モデル募集を皆さんにお知らせしてきました。
小さな子供達が放つ、前向きなエネルギー。
この幸せの力を、名畑さんは最大限に引き出してカメラにおさめます。
幸福感にあふれる名畑さんの写真は、APAアワード(日本広告写真家協会公募展)でも高く評価されました。
いつまでも見ていたくなる魔法のような写真はどうやって生み出されているのでしょうか?
こども写真を撮り始めたきっかけ、作品へのこだわり、衝撃を受けた強いエネルギーなど、今回たくさんのお話を聞かせてもらいました。
写真家名畑文巨の子ども写真の世界
見た人が幸せになる写真
撮影でテーマにしているのは、小さな子どもが持っている、人を幸せな気持ちにさせる前向きなエネルギーです。
遊びながら撮影を進めていくと、表情がどんどんキラキラします
小さな子どもの無邪気な表情やしぐさ、なにかに夢中になっているときの生き生きとした表情は、見る人に幸せな気持ちを感じさせてくれますが、
写真を見た人が、子どもと接している時と同じように幸せな気持ちを感じてもらえる作品作りを心がけています。
そのために、モデルになってくれる子どもを楽しませながら撮ることで、それらを最大限引き出した撮影をしています。
こどもを撮る楽しさに気づいた20代
20代の頃、外資系の子ども写真館に勤めました。
そこはカメラマンがあやしながら撮るという撮影スタイル。
毎日子どもと関わり、子ども撮影の楽しさに気づきました。
以後は、会社役員、写真館勤務などで子ども撮影に関わり続け、写真家として独立しました。
撮影中はとことん楽しく!
いつもたくさんのおもちゃを持って行って、次々とネタを変えながら楽しませて撮影していきます。
子どもの好きなアイテムは効果的に使います
「楽しくて楽しくてしょうがない!」という状態になってきて、キラキラとした前向きなエネルギーが出てきます。その瞬間をカメラでとらえるのです。
そのために、子どもの服や撮影するシチュエーションもこだわっています。
服は、シンプルでナチュラルなテイストのものだけにします。おしゃれな服や流行りの着こなしは、そこに視線が行って主題がぼやけるので避けています。
場所も、「風景と子ども」というような主題が二つになってしまう撮り方はしません。
あくまで子どものキラキラした表情が主役です。
どんなにキレイなお花畑に行っても花にはピントを合わせずに大きくぼかして、キラキラ感を引き立たせる背景として使います。
雨降りを遊びにすると大はしゃぎ!
モデルになってくれた子ども達とご家族には、撮影した写真のアルバムを作ってお渡ししています。
ある時、頂いたお礼のメールに「天使のように微笑む我が子の写真に、この子がこんな顔することがあるんだ、と驚いたのと同時に、また育児を頑張ろうと思うことができました」と綴られていました。
一枚の写真が育児を頑張るきっかけになるということに感銘を覚えました。
作品モデルに選ばれたお子さんや家族の方々からは「楽しかった」「写真は一生の宝物になった」「とても良い思い出です」と喜びの声がいっぱいでした。(モデルリのインタビューより)
国境を越えて伝わるエネルギー
2010年にニューヨークで個展を開催したときに、3日間続けて来場してくれた60代ぐらいの男性がいました。
元警察官だったという彼は「毎日の犯罪捜査で、人のネガティブな顔ばかり見ていて、心が荒んで警官をやめました。でも、ここに来てポジティブなエネルギーをもらえました。キッチンとリビングを持ってきて、ずっとここにいたいくらいです」と言ってくれました。
自分の子どもでもない言葉も文化も違う、よその国の子どもの写真に、そこまで感じてくれたことに感激しました。
幸せを感じる子ども写真には、人に伝わる前向きなエネルギーがあるんだと確信した瞬間です。
このことは、多くの人に伝え、広めていきたいと思うようになりました。
子どもを取り巻く環境が時代とともに変わっても、子どもの純粋でポジティブなエネルギーというのはずっと変わっていないと思います。
世界の子どもを撮影してきましたが、国や人種に関係なく、皆同じでした。
なかでも、障害のあるお子さんはそのエネルギーが強くて、とても驚かされました。
前向きなエネルギー全開の子ども達
現在、世界のダウン症のあるお子さんを取材撮影して写真展を開いていく「写真展ポジティブ エナジーズプロジェクト」を実行しています。
< 写真展ポジティブエナジーズロンドン展 >
立ち上げたきっかけは、英国で障害者支援活動家との偶然の出会いから、ダウン症のあるお子さんを撮影する機会に恵まれたことからでした。
いつもはあやして楽しませることで出てくるポジティブなエネルギーが、その子は引き出さなくても最初から全開だったことに驚きました。
その後も何人かの障害のあるお子さんを撮りましたが皆同じで、キラキラしています。
それまで持っていた「かわいそう」という障害者へのイメージが一変しました。
同時に「この子達はこんなにいいものを持っているのに、知られていないのはもったいない」と強く感じたのです。
この強い前向きなエネルギーを伝えて、多くの人に希望を持ってもらいたいという想いからプロジェクトを立ち上げ、世界のダウン症のあるお子さんの取材撮影を始めました。
< ミャンマーのダウン症のある女の子 >
第一回写真展は、同じくダウン症のある人をテーマにする英国人写真家2名とコラボしてロンドンで2018年に開催しました。
第二回写真展は、本年7月に東京・渋谷で開催します。
この活動を通じて、子どもの持つポジティブなエネルギーを伝えながら、社会の障害のある人たちへの意識の変革、理解の向上を促すことを目指しています。
名畑さんから、全国の子育て家庭へのメッセージ
とびきりのいい表情の我が子の写真が撮れたら、スマホの中に収めておくだけでなく、ぜひ大きくプリントして部屋に飾ってあげてください。
キラキラした表情には幸せな気持ちにさせてくれるパワーがあります
見る人に可愛いと褒められるたびに、子どもの自己肯定感が高まります。
育児に疲れた時に見返すと「また頑張ろう」という気持ちにさせてくれる効果もあると感じます。
写真家名畑文巨の子ども写真の世界
詳細はこちら
ベビヨリの姉妹サイト【モデルリ】のモデルキッズ企画でインタビューしたママ達から「写真家の名畑先生」のお名前が何度も出てきました。どんな方なのだろう、と興味を抱いていた中でお話をうかがう機会をいただきました。
そして感じたのは名畑さんの優しい想い。それが子どもとママ達にも伝わって、皆が幸せな気持ちになる作品ができあがっているんですね。
名畑さんの作品モデル募集は今後もベビヨリでご紹介していく予定です。貴重な体験ができる機会を見逃さないでくださいね♪
そして感じたのは名畑さんの優しい想い。それが子どもとママ達にも伝わって、皆が幸せな気持ちになる作品ができあがっているんですね。
名畑さんの作品モデル募集は今後もベビヨリでご紹介していく予定です。貴重な体験ができる機会を見逃さないでくださいね♪
募集!3月31日まで