女性の身体の健康について、まだまだ発展途上な日本。
情報が少ないし、サービスも足りない。そもそも問題が認識されていない場合も…
株式会社ジョコネ。は、そんな観点から、女性のヘルスリテラシーを向上するためのサービス開発や提供を行っています。
★「徹底的に女性目線」とは?
★女性のヘルスリテラシーとは?
★産後ママのゴールデンタイムって何?
代表取締役である北奈央子さんにお話をお聞きしました!
プロフィール:聖路加国際大学大学院看護学研究科で女性のヘルスリテラシーの研究に従事。医療機器メーカー勤務を経て、女性の健康の悩みを解決したいと株式会社ジョコネ。を設立。NPO法人女性医療ネットワーク理事も務める。一児の母。
女性のヘルスリテラシー
-「リテラシー」は最近よく耳にする言葉ですが、ヘルスリテラシーって、そもそも何なのでしょうか?
ヘルスリテラシーとは、健康や医療の情報をみつけて、理解して、正しいかとか、自分に必要か判断をして、実際に行動をする力です。
身近なわかりやすい例で、女性のヘルスリテラシーをひとつ考えてみましょう。
例えば生理痛があったとき、生理痛に関する情報をネットで探したり周囲に相談して、何もしないのか、バファリンをのむのか、婦人科に行くのかを決めて、行動します。
それがヘルス(健康)リテラシー(理解して活用する)なんですよ。言葉はなじみがなくても、すでに行なっていることもあると思います。
女性の身体の情報は、ちゃんと教えてくれる場所が少なく、信頼できる必要な情報の入手が難しいのです。
そして、いざ行動すると決めたときに、環境が整っていません。
例えば産後に「骨盤底筋トレーニングが大事だからやりたい」と思ったときに、どこで受ければいいのかよくわからないんです。
運よく産院がやってくれていればいいのですが、そうじゃないと近所のジムでできるわけじゃないし、となります。
そこで、女性が自分の身体に関する信頼できる情報をちゃんと入手できて、やろう!と思ったときにサービスが受けられる環境を作りたいと思いました。
きっかけは自分の体験から…
- 北さんは2018年に出産されています。産後のトラブルをご自身でも経験されたそうですね?
人生初の骨折をしました。普通なら捻挫ですみそうなものだったのに、骨折でした。授乳しているとカルシウムがとられているということを実感しましたね。
腰痛も悪化して、鍼灸に頻繁に通っていました。ある日、理学療法士さんの勉強会に参加したら、腰痛になりにくい授乳の姿勢があることを知りました。
勉強していくと、実は防ぐ方法があったんじゃないかって思えるのです。
また、これはトラブルではありませんが、
仕事に早く復帰したくて、出産後すぐの入院中から階段の上り下りしていたんです。そうしたら、病院のスタッフさんに休みなさい、と怒られました。
「産後2か月程度はしっかり休み、3か月~6か月に身体を戻していくといい」ということを、その後に本を読んで知りました。
産後の身体の回復にはゴールデンタイムがあるのです。これも、出産前に知っていればよかったと感じたことの一つです。
トレーニングなどの産後ケアで回復
そんな事がありながらも、すばらしいトレーナーさんと巡り合うことができて、産後の身体を見てもらいました。
骨盤底筋のトレーニングもですし、腹筋の状態もみて回復させながら鍛えました。
おかげで体型も戻り、自信をもって仕事に復帰しました。その後、娘が1歳のときに起業しました。
でも、これはとても恵まれた状況だったということに気づいたのです。
私は、ヘルスリテラシーを学んでいた経験から、問題を問題として認識できて、解決策をとることができました。
通常は、ネットで同じように産後の身体をみてくれるトレーナーさんを探そうとしても見つからない。
産後みんなに受けてほしいものなのに、多くの女性はアクセスがないんだって思いました。
女性の「知らなかった」をなくしたい
女性の身体に関することって、まずは「気づいてもらうこと」が一歩目だということです。
例えば、さっき女性のヘルスリテラシーとして例に挙げた「生理」に関しても、なぜか「生理のことは話しにくい」という雰囲気があります。
メイクやファッションのように気軽に周囲に話せない。生理はふつうのことで、生理用品も自分に合ったものや好きなものを情報交換していいんです。
女性たちの「知らなかった」をなくしたいと思っています。
特に産後のことは、後で知っても今更のことが多いですから。
事前にちゃんと知ることができて、必要な対策をとれるようにしたいと思っています。
産後ママ8割が実感「もっとケアをすべきだった」
ジョコネ。の調査で、子育て中のママにアンケートをしたことがあります。
8割以上のママが「もっと産後に自分の身体をケアしておけばよかった」と回答しました。
赤ちゃんや子供のことは、あふれるほど情報があり、サービスもあります。
妊娠中のママの体調管理の情報やサービスはたくさんありますが、産後になったとたん、ママの身体に関することはパタッと減るんです。
でも、出産は女性の身体に大きな負担で、子育てという大仕事のスタートです。
ママ自身、そして家族や社会に「ママの身体のケアが大事!」と気づいてもらいたいです。
共感してくれる方々との出会い
その想いに共感してくれる女性にたくさん出会いました。
特に出産経験のある方はとても共感してくださり、助けてくれます。
私の産後のトレーニングをしてくれたトレーナーさんにもそのうちの一人で、今はビジネスパートナーになってくれました。
まだまだヨチヨチ歩きの会社ですが、共感し、協力してくれる仲間が少しずつ増え、うれしいです。
こうして共感してくれる方々と一緒に、さらなる輪を広げていきたいです。
産前産後ママに役立つサービス
現在は、次のサービスを提供しています。いずれもオンライン上で、全国どこにいてもサービスが受けられます。
(1) 女性の健康を支えるいろいろな専門家から、産後・女性の身体のことを学び、サポートを受けられるジョコネ。クラブ
(2) 産後の回復にあわせた腹筋や骨盤底筋のトーニング「底トレママ」
(3) 女性にとって特に大切な骨盤底筋の訓練がオンラインで受けられる底トレ®
産後のご自身の身体を上手にケアして、子育てとご自身のやりたい事の両立ができるようにサポートしています。
ジョコネ。クラブでは、助産師、管理栄養士、理学療法士、骨盤底筋トレーナー、毛髪診断士、キャリアアドバイザーなどの専門家からオンラインで学んだり、またオンラインで1対1のカウンセリングやトレーニングが受けられます。
特に意識しているのは、女性が使いやすいサービスであるということです。
日本は男性社会で意思決定の場に男性が多いということが普通です。女性のためのサービスでも女性が使いにくかったり、見つけられなかったりということがよくあります。
そうではなく、女性が必要だと思ったときに躊躇なく使えるサービスであること。
それが「徹底的に女性目線」を掲げている理由です。
「産後の悩みはジョコネ。クラブで!」となれるように広げていくことが目標です。
ちょっとした悩みでも、迷子になることなくジョコネ。クラブで解決できる、そんなワンストップの場所になりたいです。
そして髪の毛のことでも、悪露のことでも、おっぱいのことでも、なんでも情報が得られて、相談できる場にしていきたいと思っています。
ジョコネ。から、全国のママや妊婦さんへのメッセージ
ママの笑顔が赤ちゃんの笑顔をつくります!
ママが自分のことを大切にすることは、赤ちゃんの、そして家族のためなんです。
ご自身の身体と向き合う時間をとって、子育てとやりたいことの両立ができる身体にしていってもらえたらと思います。
そのお手伝いができたらうれしいです!
ジョコネ。公式サイト