すべての妊婦さんへお願いです。
なにか変わったことがあったら、かかりつけの病院へ行くか、電話で問い合わせするかしてくださいね。お願いします。
例えば、トイレへ入ったとき、こんなことがあるかもしれません。
少し血が出てる。おしるしかな?
尿漏れ?
「たぶんコレあれだわ~。本(ネット)に載ってた」と自分の知識で結びつけず、まずは病院へ。
私自身も破水しているのに全然気づかなかったのです。陣痛も来ないままでした。
問題にするべきか、しないべきか
出産から1週間早くのある日、ソファでごろごろしていた後にトイレへ。下着がうっすら湿っているようでした。「ついに尿漏れか! 妊婦さんにはよくあるというもんね」
そう思って気にしなかったのですが、部屋へ戻ると、産院の母親教室で言われたことが頭に浮かんできました。
「何かあったら、すぐに連絡してくださいね! 夜中でも大丈夫ですから」
その母親教室では、助産師さんから怖い話を聞かされました。プレママさんが「あれ、おかしいな」と思ったのに受診せず、赤ちゃんが子宮の中で亡くなっていた…というケースをいくつか。
「濡れていたのはほんのちょっとだったし、絶対に破水じゃないよね。陣痛もないし。尿漏れだろうなあ…」
でも、もし赤ちゃんに何かあったら…
念のため、と思って、病院へ電話してみました。
そんなの大丈夫ですよ、と場慣れした助産師さんに笑われるんだろうな、と思いながら。ところが。
「検査をしますので、病院へいらしてください。念のため、入院用の荷物を持ってきてください」
と言われてしまいました。
病院へ行きたくない…
検査までして、本当に尿漏れだったら?入院用の大荷物を持って、すごすご帰るなんて…
すごく恥ずかしいですよね。
嫌だ~!!
病院までは遠いし、時間もかかるし、疲れるし。
数日後には検診もあるんです。そのとき診てもらえばいいんじゃないのかな、とも考えました。
でも。
何かあったらどうしよう?
何もなくて、「尿漏れですよ」と笑われたって、「忙しいのに、こんなことで来ないで」と言われたって、赤ちゃんが無事ならそれでいいですよね。
むしろ何もなければ、それが一番いいんです。
それ以外のことは、何でもないことなんです。
私が周囲から「バカだな」と笑われるのなんて、ちっとも大きな問題ではないのです。
私自身は、見栄っ張りで、いつも人目を気にしているタイプです(今でもそう)。けれども、子供がらみになると「いいよ、恥かいてやる!」とやけっぱちになります。
女医さんに冷たくため息をつかれるところまで脳内シミュレートし、それでもいいわい、とマゾに生まれ変わった気持ちでタクシーを呼びました。
(大丈夫だと思っているのに、荷物詰めたりタクシー呼ぶ最中にふるえてしまう不思議)
病院に到着しまして、検査の結果、
「前期破水ですね」
尿漏れじゃなかった!
破水してました!
陣痛がまだ起こっていない段階で卵膜(らんまく)が破れて、羊水が子宮外に流れ出ることを「前期破水」といいます。
前期破水|gooヘルスケア
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10390100.html
こちらのページでは「突然、腟から急激に水のような羊水が流れ出ます。その時、出血を伴ったり、子宮の収縮を感じることもあります。 」と書いてあります。
読んでみると、(前期破水が起きたら)自分でわかりそうなものだと思います。
でも実際には、尿漏れと間違えた程度。全然わかりませんでした。
ネットで体験談を読むと「ブチッと音がした」という方もいらっしゃいますが、私は聞こえませんでした…鈍感なのかも。
正産期だったので、そのまま出産へ
2~3日間も破水に気づかなかった場合、赤ちゃんが助かる可能性はかなり低くなるそうです。助産師さんの語っていた「放置していたら胎児が死に至る」に近いものでした。
ただし、正産期の前期破水で死亡したケースはあまりないようですが、ゼロかは分かりません。専門医だとしても「あり得ない」と言って、でも実際にそうだとわかると「めずらしいですねえ」とか言いだすし…これは身内の病気の話ですけど。
病院へ行くことにして、よかったあぁぁぁ!
一晩待ちましたが陣痛が起きなかったので、陣痛促進剤を投与して出産に至りました。
ここからが本題!
前置きが長すぎてスミマセン。前期破水のことを語りたかったわけではなく。
何かあったら即連絡!病院へ!ということをお伝えしたかったのです。
出産間近でなくても同じ。むしろ、正産期に入る前のほうが危険が大きいです。
私の出産は、ごくごくフツーです。正産期の前期破水はよくあることです。
しかし、尿漏れとしか思えないほどの少量の破水で、陣痛もありませんでした。
そのまま数日間、私がいつもの生活を続けていたら、今のように元気な子が目の前にいたかどうかはわかりません。
病院へ行ったので何事もなく無事に済み、最終的には「安産」になりました。
医療がどんなに発達したと言われていようとも、妊娠・出産はいまだ安全とはほど遠い分野なのだと、他のママさん達と話をするたびに思い知らされます。
皆さん、何かしらのトラブル経験をお持ちです。
出産に成功するほうが難しい気がしてくるほど。
へその緒が首に巻きついていた、胎盤剥離に気づかなかった、等々、悲しいケースがいっぱいあるそうです。
耳にするたび、そんなことが起きるなんて…と驚くばかりです。
受診をためらう気持ち、わかります
「このくらいのことで連絡してくるなんて」「全然平気ですよ」
そんなこと言われたら恥ずかしいし嫌だ…という気持ち、よくわかります。
でも、恥ずかしい思いをするのは私だけ。
子供が安全であればそれでいいんです。
なにかあったら大変です。
何もなかったら、ちょっと恥ずかしい思いをしたけれど、何もなかったことを喜べます。
無事に産まれたあとでは、あせって恥をかいたことは、妊娠エピソードの一つになりますよ。
もっとも恐ろしいのは、「たぶん大丈夫でしょ。何でもなかったらバカみたいだもの…」と思ってやりすごし、何かあった場合です。
ほんの少しの異変だけでも、お腹の中では大惨事になっている可能性があります。
気になることがあれば、すぐに病院へかかるのが良いです。
何もなければ、それでいいのです。
妊婦さんの体はとてもデリケート。
取り返しがつかないのが、妊婦さんの体なのですから。
赤ちゃんと無事に出会えますように。